2022.06.27
トゲの話
ほとんどの人にとってトゲは嫌な物かもしれません。
刺さると痛いですし、血が出ることもあるでしょう。
では、バラに刺があるのは何故でしょう?
いくつか説があり本当のことは分かりませんが、動物たちに簡単に食べられてしまわないようにだったり、近くの植物にトゲを引っかけてより高い所に枝を伸ばすため、などが理由にあげられます。
最近トゲのことでよく耳にするのは「子供がケガするといけないからバラは植えれない。」という話です。私にも子供がいるのでその気持ちもよく分かりますが、いつも少し悲しい気持ちになります。
ぼくは子供たちにバラにはトゲがあることを知って欲しいと思っています。ときには手に刺さることもあるかもしれません。でも軽いケガをして学ぶということ、それは子供の成長に必要なプロセスではないかと思うのです。
トゲのある植物があるということを知ることは植物の多様性を知ることにもなりますし、そうやって色んな植物に触れる体験をすることでしか得られないものがそこにはあるはずです。
時々僕は人間とバラというものの印象が重なり合うことがあります。
それは、人間はみんな心にトゲを持っているということです。
そのトゲは自分を守るための攻撃性と言いかえることもできると思います。
本当に他者を理解するということは他者の持つ攻撃性も含めて受け入れることなのかもしれません。
トゲを排除するのではなく、トゲを優しく見守り包み込む社会であってほしいと心から思っています。
そして、そこに多様性のある子供たちの未来があると信じています。